原点は入試に

受験生たちは来年の受験に向けて本格的にスタートを切り始めた頃だと思います。

3月17日9時33分配信『時事通信』によりますと、文部科学省は17日、高校3年生を対象に英語の「読む、聞く、書く、話す」の4技能の学力を調べた英語力調査の結果を公表しました。

「読む、聞く」の平均的学力は英検3級(中学卒業程度)相当、「書く、話す」はさらに低く、書くは過半数が正解率1割以下だったそうです。

調査は国公立高校の約1割の480校を抽出し、3年生約7万人を対象に実施したそうです。

調査した高校に通っている生徒の学力レベルは様々でしょうが、平均正答率1割以下ですか・・・。
もう少し正答率が高いかと思っていました。

ただ、「読む、聞く」に比べて「書く、話す」の正答率が低いのは十分にうなずける結果ではあります。

現行の大学入試において「読む、書く」に比べて「書く、話す」が軽視されているからです。一般の大学入試で「話す」試験は課されません。

マークシート方式であることから仕方ありませんが「書く」試験もセンター試験や多くの私大においては単語や語句を並べ替えるだけです。国公立大学の二次試験においても本格的な英作文を課す大学はそう多くはありません。

センター試験においても、私大入試においても国公立大学の二次試験においても「速読力」、「読解力」が重視されていることは間違いありません。「聞く」の正答率が比較的高いのはセンター試験でリスニングが課されるようになった結果だと思います。

正直、多くの高校生にとって、受験に不必要な勉強はしなくて、あるいは軽く済ませて、当たり前だと僕は思います。
「今は大学に受かることが重要。英語を話す勉強は大学に入ってからでいい」と考える高校生を責めることはできませんね。

われわれを含め教師たちも入試でのウエイトが小さい分野より、大きい分野に重点を置いて指導するものです。

「読む、聞く、書く、話す」の4技能の学力を平均的に高めたいのなら、「読む」、「聞く」、「書く」、「話す」の全てを各25%配点で入試を行うといいかもしれませんね。

いやいや、そうなると、教える方も大変かな・・・。