ニンジン作戦?

鹿児島県の公立高校で、大学の合格難易度に応じて「奨励金」と称し、「本校に入学し難関大学に合格した生徒には100万円あるいは30万円を交付する」と宣言して生徒募集している学校があるようです。

昨年11月16日10時26分配信『日刊ゲンダイ』によりますと、この高校は全校の定員が360人のところ、3年連続で定員割れし、現在の生徒数は267人だそうです。何とか生徒数を増やそうということでしょうか。

成績優秀者に対して授業料を全額、あるいは半額免除したりする制度は一般的ですが、こういう生徒募集は僕は初めて知りました。

これまでにも、どこかの学校でこのような生徒募集があったのでしょうか。

しかし、どうなんでしょうね。

正直、僕はやや疑問を感じます。

今回の話で思い出すことがあります。

僕が中学生になる頃、自宅から比較的近い所に新設の公立高校が設立され、当時赴任された先生方はその高校を進学校にすべく熱い志のもと、早朝、授業後と、随分熱心に「補習授業」を続けられ、結果、数年でその高校はかなりの進学校になりました。

以後、この高校の人気度は下がることはなく、
定員割れなんて考えられない人気を保っています。

当然ですが、高い進学率を保てば、志の高い生徒が志望してきます。

「100万円あげるから頑張って勉強してねー」的募集ではなく、実績を上げ、「本校で一生懸命学べば、難関校へ合格するのも夢ではないよ」的募集の方が、生徒集めには効果的な気がします。

入学難易度の高い高校に合格する実力のある子が高校を選ぶ場合、「難関大学への進学実績の高い高校」と「難関大学への進学実績は高くないけど、その高校に入り自分が難関大学に合格したら、100万円もらえる高校」のどちらかを選ぶとしたら、僕の直感ですが、多くの子は前者を選ぶと思います。

第一、あまりにも露骨にお金で釣っている感じが・・・。

仮にもお金で釣るというのなら、大学を卒業するまでの4年間勉学に打ち込め、その間アルバイトをする必要がないぐらい、そうですね・・・せめて1000万円ぐらい交付したらどうでしょう。それぐらい「奨励金」を交付すれば、この高校に入学して難関大学をめざす生徒が集まってくるかもしれませんね。