最接近

曇り空の名古屋ですが、きょうは星の話でいきましょうか。

みなさーん、太陽系の惑星を太陽に近い方から全部言ってください。

はい、そうですね。
「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星」ですね。

では、みなさんのお家の人に尋ねてみてください。
「すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい」でストップせずに、「すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい・めい」まで言った方もいるのではないでしょうか(笑)。

実は2006年までは、海王星の外側(軌道の関係で内側に来ることもありますが)に
冥王星(めいおうせい)という星が太陽系の惑星として分類されていましたが、惑星を定義し直した結果、冥王星が惑星から外されることになったのです。

さて、無人探査機やは有人探査計画など何かと話題の多い火星が5月31日に地球に最接近します。

最接近するのは2005年11月20日以来で、今回の距離は7,528万kmです。

ところで、みなさんは、火星と地球の距離がどうして変化するのか知っていますか?

知らない人のために簡単に説明しますね。

みなさん、地球は太陽の回りを何日かけて1周(公転)しますか?

この質問は即答してほしいところです(笑)。
そうですね、約365日です。

では、火星はどうでしょう?
火星は太陽の回りを何日かけて1周(公転)しますか?

これは知らない人が多いかもしれませんね。約687日です。
「すい・きん・ち・か・もく・・・」と地球の外側を周っているのですから、1周するのに地球よりは長く時間がかかることはわかりますね。

さて、さて、イマ仮に地球と火星が「横並び」の状態だとします。「よーい、どん!」で地球と火星がスタートしたら、だんだん地球のほうが先行するイメージがわきませんか?だって、地球のほうが2倍近くはやく1周するんですよ。

地球がどんどん火星から離れて行って、火星、太陽、地球が真っ直ぐ並ぶイメージがわきませんか?この時、地球と火星との距離が最も遠くなります。

その後は地球は火星にどんどん近づいてきます。やがて、「周回遅れ」の火星に近づき再び「横並び」状態になりますね。これが、「最接近」です。

先程、今回の距離は7,528万kmと書きました。
この時、「今回の」で立ち止まった人いませんか?
最接近と言っても、一定の距離ではありません。
その理由は火星の軌道は楕円だからです。

だいたい2年2か月に1回の割合で最接近が起こりますが、その時々で距離が違うのです。ちなみに2018年7月31日の最接近の際は5,759万kmまで近づきます。

肉眼でも赤く輝く火星を見ることができますので、明日、晴れていたら、気分転換で空を眺めてみてはどうでしょう。

方角は夜の8時、9時で南東の空です。
火星の左下にはさそり座のアンタレスが、アンタレスの上には土星も見えますよ。

最接近とは言っても、7,500万kmです・・・

地球の直径が約12,742kmですから、火星と地球の間に、地球を約5,900個並べるぐらい離れています。よく思うことですが、ホントに宇宙って広大ですねえ・・・。